警備業における教育指導日誌の必要性と作成・管理の方法

2022年2月18日

警備員の管理や教育といった一般的な指導記録だけでなく、警備業務を行う際に不祥事案が発生した場合は証明書類にもなる「教育指導日誌」。大変必要性の高い書類ですが、作成や管理でお困りの警備員指導教育責任者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、教育指導日誌の作成・管理を効率的に行うヒントをくわしく説明します。

警備業における教育指導日誌とは?

警備業における「教育指導日誌」とは、「警備員指導計画書」「警備員指導実施簿」など、警備員を指導する立場の従業員が、警備員ひとりひとりの指導計画書や実際の指導内容を記載するものです。主に、警備員の指導教育責任者が作成・管理を行う書類となります。

教育指導日誌の必要性

「教育指導日誌」は、スタッフの教育記録に加えて、警備業に携わる企業にとって「法廷備付書類」と同義ともいえる重要な書類であり、必要性は非常に高いと言えます

「教育指導日誌」の一要素である「警備員指導計画書」は、警備業法施行規則第66条で作成と備付が義務とされているため、非常に重要な書類です。さらに、どの警備員に対してどのような教育を行ったかを記録する「指導実施簿」の作成も適切に行われていた場合、適切な指導や監督がなされていた証明になります。

スタッフの教育指導計画を記載した「警備員指導計画書」と、実際にスタッフへの教育指導を実施した記録である「指導実施簿」が揃った「教育指導日誌」があって、はじめて証明書類としてその効力を発揮します。

教育指導日誌への記載内容

教育指導日誌を証明書類として適切に扱うために、記載するべき指導計画書と指導実施簿の事項・記載時の注意は以下のとおりです。

【指導計画書】

  • 指導実施予定時期
    警備員に対しての指導時期を記載します。基本は1ヵ月単位の作成になります。
  • 実施日
    指導実施予定日(曜日含む)を記載します。
  • 指導対象者
    指導を受ける警備員の氏名、配置先、担当業務を記載します。
  • 指導事項
    指導する予定の内容を記載します。警備員の実務に直結する内容であれば、万が一不祥事が起きた場合でも適切な教育指導を行っていた証明になるため、実務に活用できる内容が好ましいです。
  • 指導方法
    「講義」「OJT」など、講義や実技訓練の方法を記載します。
  • 指導担当者
    担当者の氏名を記載します。役職や資格も記載しておくとよいでしょう。
  • 実施場所
    指導を実施した場所を記載します。できるだけ明確に記載しましょう。
  • 概要
    その他、申し送りや欠席・再指導など、必要な事項があれば記載します。

【指導実施簿】

  • 実施年月日
    実際に指導を実施した年月日(曜日含む)、開始時間、終了時間を記載します。
  • 実施者氏名
    指導を実施した者の氏名、配置先、担当業務を記載します。役職や資格も記載しておくとよいでしょう。
  • 実施場所
    実際に指導を実施した場所を記載します。できるだけ明確に記載しましょう。
  • 対象警備員氏名
    指導を受けた警備員の氏名を記載します。
  • 指導事項の概要
    実際の指導の概要を記載します。
  • 実施簿の各位確認日、署名捺印
    警備員指導教育責任者、指導実施者の署名と捺印をします。

警備業の教育指導日誌の作成・管理が大変な理由

警備業の教育指導日誌の作成・管理が大変な理由として、主に2点が挙げられます。その内容を分析していきましょう。

警備員の数だけ作成・管理が必要

警備業の教育指導日誌の作成・管理が大変な理由の1点目は「作成・管理が警備員の数だけ必要になる」という点です

警備会社は無数の現場を抱えていることが多く、さらに一つの現場に複数名の警備員が勤務している場合も多くあります。そのため、教育指導日誌の作成・管理を行う警備員指導教育責任者は、所属する多数の警備員の数だけ適切な教育計画書を作成し、指導実施の確認をしなければなりません。

指導計画書と指導実施簿の項目も多く、さらに証明書類となるようにきちんと作成・管理を行うのは、極めて大変な作業と言えるでしょう。

後で必要になった際に探しづらい

警備業の教育指導日誌の作成・管理が大変な理由の2点目は「書類をExcel・PDFファイルや紙で作成・管理していた場合、必要になった時に探しづらい」という点です

教育指導日誌は、毎日の業務で触れる書類ではないうえ、有事の際には指導計画書と指導実施簿の2つの書類を探し出す必要があります。警備員一人に対して個人のフォルダを作成したり、現場ごとに紙の書類をファイリングしたり、ある程度の教育指導日誌の整理を行っていたとしても、警備員の異動や退職があったときや複数の現場をかけもちしているスタッフについては、データや書類の管理場所に困るだけでなく、とても探しづらくなります。

また、データや書類の管理を複数人で行っている場合は、人によって管理のしかたが異なっているかもしれません。いざ必要になった時に管理者がいない、格納されているはずの場所に無い、どちらか片方の書類が見つからない、といった事態も想定されます。

警備業の教育指導日誌の作成と管理はシステムで行おう

警備業の教育指導日誌は、手動のデータ管理や紙の書類での作成・管理よりも、システムを利用した作成と管理がおすすめです。教育指導日誌をシステムで作成・管理した際のメリットを5点、ご紹介します。

作成の手間が省ける

教育指導日誌をシステムで作成・管理すると、教育指導日誌を作成する手間を大幅に省くことができます

ExcelやPDFファイルは指導計画書と指導実施簿それぞれの必要項目を記載したデータの作成や記入、紙であれば印刷や書き込みが必要になり手間がかかります。しかし、システムならあらかじめ教育指導日誌の必要項目が設定されていることが多いため、作成にかかる労力を大幅に軽減できます。

システム上で管理してペーパーレス化

教育指導日誌をシステム上で管理することでペーパーレス化を実現できる点も、教育指導日誌をシステムで作成・管理した際のメリットです。

紙の書類では、指導計画や指導実施の記載を手書きで行う必要があり、書類の受け渡しや署名捺印をもらう手間がかかります。さらに記載内容のチェックなども紙面を見て行うため、その都度時間と労力のコストもかかります。さらに、警備員指導教育責任者や指導実施者が別の勤務地にいる場合は、紙代やインク代などの基本的なランニングコストだけでなく、郵送などのコストと手間もかかるでしょう。

その点、システムで管理を行えば、システム上で指導計画や指導実施の作成・記載・署名捺印まで完結するため、紙で管理していた時よりも時間・労力・コストを大幅に削減できます。

保管スペースも必要ない

教育指導日誌をシステムで作成・管理すると教育指導日誌の保管スぺ―スが必要なくなります

教育指導日誌は、警備員1人につき指導計画書と指導実施簿の最低2枚の紙が1セット必要です。指導計画書は1ヵ月単位、指導実施簿は指導を実施した回数で増えていくため、書類の数はとても膨大になります。その量が警備員の人数分となると、キャビネットが書類でいっぱいになっていたり、書類を収納する部屋を設けていたりする警備会社も多いのではないでしょうか。

一方、システム上で教育指導日誌を管理すれば、書類の保管スペースは必要ありません。ファイルの保管場所にかかっていた賃料を削減できたり、空いたスペースを有効活用したりすることも可能です。

後でも探しやすく共有も簡単

後で教育指導日誌が必要になった時でも探しやすく、管理者同士や前任者から後任への引継ぎなどの共有も簡単に行える点も、教育指導日誌をシステムで作成・管理するメリットです。

教育指導日誌のデータはすべてシステム上のルールに沿って保管されるため、管理者によって格納場所が違っている、データの命名規則が異なっていて検索しても見つからない、どこに紙の書類をしまったかわからない……など、手動での書類管理にありがちな困りごとが発生する心配がありません。

システムのマニュアルなどに沿って書類を探せば該当書類が出てくるだけでなく、システム上で格納場所を共有できるため、書類データをメール添付で送付する、紙書類を郵送するなどの手間も削減できます。

警備員情報と紐付けて管理が可能

教育指導日誌をシステムで作成・管理すれば、警備員情報と教育指導日誌を紐付けて管理することが可能になります

教育指導日誌をシステムで管理する場合は、警備業向け管理システムを導入することが多いと思います。指導計画書や指導実施簿の必要項目などがあらかじめ考慮されて設計しているシステムという点でも、警備業向け管理システムがおすすめです。

警備業向け管理システムは、所属している警備員の情報や勤怠・現場をはじめ、学歴、職歴、業務経歴などの情報も一元管理できます。そこに教育指導日誌も紐付けて管理が行えることで、書類を見つけやすくなるだけでなく、現場や経歴から適切な指導計画が立てやすくなるメリットも見込めるでしょう。

警備業の教育指導日誌の作成と管理なら「GUARD EXPRESS」

警備業の教育指導日誌の作成・管理にシステムの導入を考えている方は、警備業向け管理システム「GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)」をご利用ください。その内容とおすすめのポイントについて、詳しくご紹介します。

GUARD EXPRESSとは

「GUARD EXPRESS」は、警備業に特化したクラウド型の業務管理システムです。

警備員向け就業クラウドサービスの「NEO」、クライアント向け業務クラウドサービスの「PARTNER」と連携が可能で、警備員の管理をはじめ、就業、勤怠管理、出退勤の申請、クライアント・警備会社・警備員との連絡など、さまざまな業務を「GUARD EXPRESS」のクラウド上で一元管理できます。

GUARD EXPRESSの機能

「GUARD EXPRESS」のシステムは警備業に特化しているため、教育指導日誌の作成と管理にも優れています。

例えば、GUARD EXPRESSの機能「帳票」には、教育計画一覧表をはじめ、教育計画書、教育実施一覧表、教育実施簿、教育時間集計表、教育実施状況などのメニューが揃っており、選択するだけで作成が可能です。

教育関連のデータは警備員名簿や契約先一覧表(得意先別、案件別)にも紐づくため、実務に沿った教育計画を立てるための情報ソースとしても役立ちます。各書類の記載項目は証明書類としての教育指導日誌の必要要件を満たした内容になっているため、書類の作成や項目を考える労力が大幅に削減できます。

さらに、警備員の情報に教育指導日誌のデータを紐付けられるため、もし教育指導日誌が必要になった際も、警備員の氏名を検索するだけですぐに書類を見つけることができます。

また、警備員の情報をまとめたGUARD EXPRESSの機能「警備員マスタ」では、氏名と顔写真や住所、学歴、職歴、 業務経歴はもちろん、所属部門、資格、スキル、教育受講、実績の把握などの各種データがクラウド上で確認可能です。

特に実績の把握は、これまでどのような業務を行ってきたかを確認できるため、指導計画書の作成に大いに役立ちます。画像、PDF、Excel、Wordなどのデータファイルも、証憑保管という項目でクラウド上で保管が可能なため、これまでデータファイルで管理していた過去の情報も紐付け可能です。

警備員のグルーピング機能もあるため、特別な施設・催事の警備対応にあたる警備員をグルーピングして必要な講習・指導を行うなどの、煩雑な教育指導管理もスムーズに対応できるでしょう。

GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)の詳細はこちら

教育指導日誌の作成と管理はGUARD EXPRESSで!

警備業における教育指導日誌の必要性と、作成と管理について、システムで作成と管理を行うメリットをご紹介いたしました。教育指導日誌をシステムで作成・管理すれば、余分な紙やスペースが不要になるばかりではなく、業務の効率化につながります。

感染症対策や働き方改革によってペーパーレス化とテレワークが進む昨今でも、クラウド上で情報を一元管理できるシステム「GUARD EXPRESS」なら、教育指導日誌の作成・管理が効率的に行えます。

ぜひ、GUARD EXPRESSの各種機能を活用して、教育指導日誌の作成・管理にお役立てください。