警備業における教育実施簿とは?効率的な作成と管理の方法

2022年2月18日

所属する警備員へ教育を行うたびに、実施状況について記入し保管しておく必要がある教育実施簿ですが、この教育実施簿を作成する業務を負担に感じている方も多いのではないでしょうか。実は、システムを上手に活用することで、教育実施簿の作成・管理作業を飛躍的にスピードアップできるのです。

本記事では、警備業を行う上で負担となっている教育実施簿作成・管理業務を効率的に行う方法について詳しく解説したいと思います。

警備業における教育実施簿とは?

警備会社では教育実施簿の作成および営業所への備え付けを必ず行っていると思いますが、教育実施簿とは一体どのようなもので、どのような内容を記載しなければならないのでしょうか。まずは、警備業を行う上で作成すべき教育実施簿とは何か、概要をしっかりと理解しておきましょう。

教育実施簿の作成は必要?

教育実施簿とは、警備業法施行規則第66条第1項第6号により、警備業者が年度ごとに作成し、警備業を行う事務所への備え付けを行うことが義務付けられている法定書類になります。

警察による警備業者への年に一度の立ち入り検査で、適切に作成が行われていなかったり、記載内容に虚偽の内容が含まれていることが明らかになった場合、5年間は警備業を行えない上(警備業法第3条)、虚偽記載の場合には教育責任者に対して30万円以下の罰金が課せられ、資格剥奪の処分が下されるため注意が必要です(同第7条1号)。

ちなみに、警備業者における教育実施簿の保管期間は当該年度の終了から2年間とされており、いつでもプリントアウトできる状態であれば、紙以外にパソコン上でのデータ保存など電磁的な方法による備え付けでも良いことになっています。

教育実施簿にはどんなことを記載すれば良い?

教育実施簿は、法令で定められた項目について記載しなければなりません。具体的な項目は下記の通りです。

  • 教育を実施した年月日
  • 内容
  • 方法
  • 時間(何時~何時)
  • 場所
  • 教育を実施した者の氏名
  • 受講者名
  • 教育責任者および教育実施者が記載事項に相違ないことを確認した旨の付記

受講した警備員の数が多く、全員の氏名を記載するのが難しい場合は、別途受講者名簿を添付します。

なお、教育実施簿の書式について特に指定はありませんが、警備業協会推奨の書式があるため、参考にしても良いでしょう。

警備業の教育実施簿の効率的な作成・管理方法

教育実施簿の作成と営業所への備え付けが警備業法で義務付けられているとはいえ、多忙な警備業の仕事をこなしながらの作業は、少なからず負担に感じられるかもしれません。より簡単に教育実施簿を作成し、効率的な管理を行いたいというニーズがある場合におすすめなのが、業務管理システムの活用です。

システムを活用して教育実施簿の管理作業を効率化する方法と、システム活用のメリットについて、詳しくご紹介していきましょう。

システムを活用しよう

従来通り、教育実施簿をシステムを利用せずに作成する場合、教育を実施した都度、手作業で紙ベースの教育実施簿へ受講した警備員名等の必須記載事項を記入したり、エクセルにデータを手入力したりする作業を行うことになります。

一方、業務管理システムを用いて、業務経歴や教育受講歴などが登録された警備員マスタとデータを紐づけて教育実施簿を作成する方法であれば、受講履歴や受講対象の警備員情報が自動で教育実施簿に反映されるので、手作業で入力を行う煩わしさはありません。

警備業において教育実施簿を効率的に作成・管理したいなら、システムを上手に取り入れた方法を選択するのがおすすめです。

システム活用のメリット

先述の通り、教育実施簿をシステムを活用して作成する方法には、多くのメリットがあります。

まず、警備員情報等を一元管理できるシステムと紐づけることで、教育実施簿へ自動的に受講者名等を反映でき、手書き・手入力の手間が大幅に削減可能になるという点に加え、誤記入・記入漏れを未然に防げるという点が、システムを活用する大きなメリットの一つでしょう。また、教育実施簿はクラウド上で作成・保存できるため、わざわざプリントアウトしたりコピーを取ったりといった作業も不要で、簡単かつ確実な管理も実現可能です。

その他、教育計画書や教育時間集計表、教育の実施状況一覧表など、データの連携によって様々な警備業における教育関連の帳票を包括して作成可能な点も、システム活用で得られるメリットだと言えます。

警備業の教育実施簿を作成・管理するシステムの選び方

教育実施簿の効率的な作成・管理をめざし、いざシステムを導入しようと考えても、数あるシステムの中でどのシステムを選んだら良いのか頭を悩ませる方も多いことでしょう。警備業を行う上で、ストレスを感じずに教育実施簿を作れる、使い勝手の良いシステムを選ぶには、いくつかのチェックポイントがあります。

ここでは、警備業における教育実施簿の作成や管理に最適なシステムの選び方についてご紹介したいと思います。

業務全般を管理できるシステムを選ぶ

まず、システムを選ぶ第一のポイントとして、教育実施簿の作成・管理にとどまらず、警備業における業務全般をコントロールすることが可能なシステムを選ぶという点が挙げられます。

警備員の採用に関わる業務から得意先のオーダー管理、警備員の勤怠管理など、警備会社の業務は多岐にわたりますが、警備業における業務全般を一元的にシステムでコントロールできれば、業務に要する時間を大幅にスピードアップできるのです。

また、警備員の受講状況や勤務経歴、勤怠などをまとめて警備員マスタに登録しておくことで、教育実施簿やシフト表、勤怠管理表など各種帳票を改めて一から手作業で作り上げる手間がかかりませんし、未受講者の抽出も容易に行えます。

さらに、警備業が抱える業務の一元的な管理を可能にしておけば、万が一警備員にミスがあったり、行政から立ち入り検査を受けたりする際にも、該当警備員の稼働実績や勤怠、教育を実施した状況などを即座に参照、提示できます。

教育実施簿を作る業務だけでなく、警備業における業務全体をカバーできるような管理システムを選ぶのが良いでしょう。

クラウド型管理システムを選ぶ

クラウドで管理できるシステムである点も、警備業向け業務管理システムを選ぶうえで重要なポイントの一つです。

教育実施簿を紙ベースで管理していると紛失や破損のリスクが高まりますし、保管するためのスペースを確保しなければならないなどコストの負担も増えます。また、エクセルファイルなど電磁的な方法で教育実施簿を作成・保管していても、データが消えてしまったり、エクセルファイルに入力する際に入力ミスをしてしまったりといったアクシデントを完全に防ぐことは難しいでしょう。

その点、クラウド上で警備業の業務管理が行えるシステムを活用し教育実施簿を作成すれば、破損・紛失のリスクは防ぐことが可能ですし、人為的なミスによるデータ削除・誤入力のリスクも抑えられ、さらにペーパレス化の実現で保管スペースも不要です。属人的なミスによるリスクを最小限に抑え、安心・安全に教育実施簿を作成・保存するためにも、クラウドで警備業の業務管理を行えるシステムを選ぶのが確実だと言えます。

時代の流れに対応したシステムを選ぶ

警備業の教育実施簿作成に適したシステムを選ぶ際の最後のチェックポイントとして、内容が常に最新の状態にアップデートされ、時代の流れに即した臨機応変な対応が可能なシステムであるかどうか、という点を確認するのが良いでしょう。

警備業の業務に関する法令は頻繁に改正されますが、法令改正の都度システムの内容変更に時間がかかったり、法令改正に対応した内容へアップデートする際に別途料金が発生してしまうシステムでは非効率ですし、コストもかさんでしまいます。

また、警備業界自体も変化を遂げる中、事業の多角化やビジネスモデルの転換に業務管理システムのアップデートが間に合わなければ、円滑な警備業務運用を支援する業務管理システムとして最適とは言えないでしょう。

時代の流れに即座に適応し、迅速に内容を変更・改善していけるシステムの選択がおすすめです。

警備業の教育実施簿なら「GUARD EXPRESS」

教育実施簿を効率的に作成でき、管理も行える業務管理システムを選ぶ上で、全般的な警備業の業務をクラウド上でコントロールでき、かつ時代の流れにも即適応することが可能な業務管理システムを選ぶことが重要だとお伝えしてきました。

これらの条件を備えた業務管理システムに、警備業に特化した「GUARD EXPRESS」があります。警備業に向けた「GUARD EXPRESS」とはどういった特徴を持つシステムなのか、詳しくご紹介していきましょう。

GUARD EXPRESSとは

「GUARD EXPRESS」は、警備業の基幹業務をオールインワンで管理できるシステムです。

受注や会計、警備員の管理から勤怠データの管理、各種帳票の作成までをワンストップで行うことが可能で、警備業における多種多様な業務を一元的に管理できるというだけでなく、クラウド管理を行うことで情報の共有やペーパレス化によるコスト削減などのメリットも得られます。

さらに、「GUARD EXPRESS」は警備業を行う上で避けては通れない法令改正への対処に関しても、保守の範囲内で追加の費用発生なくアップデートを実施しています。全般的に警備業の業務を網羅し、時代の流れに即したスピーディーなアップデートを提供するクラウド型の業務管理システムが「GUARD EXPRESS」なのです。

GUARD EXPRESSの機能

基幹システムである「GUARD EXPRESS」には、新規応募者や所属警備員の管理から案件管理、警備員の勤怠登録・給与管理といった機能をはじめ、契約・通知・台帳などコンプライアンスに関わる各種帳票の作成、保険・年末調整の自動計算、統計資料の作成まで警備業のありとあらゆる業務の効率化をはかれる機能が備わっています。

GUARD EXPRESSだけでも警備業の業務全般をカバーできますが、GUARD EXPRESSの付帯サービスを活用すれば、業務に付随する作業をさらにスリム化し、クライアントや警備員の満足度向上を実現することも可能です。

警備員向けのWebアプリケーションサービス「GUARD EXPRESS NEO」を使えば、スマートフォンやタブレット端末を通じて警備員自身が簡単に勤怠打刻できたり、自身の都合の良いタイミングでスケジュール申請や契約・シフト照会、給与前払いなどの手続きを行うことが容易になります。

また、クライアント向け「GUARD EXPRESS PARTNER」は、発注申請から契約照会、警備員の勤怠承認などをワンストップでスムーズに行えるクラウドサービスです。

さらに、警備員の応募から警備員マスタ登録まで、警備員の新規採用における一連の業務をバックアップする「GUARD EXPRESS ENTRY」や、休眠警備員の掘り起こし、勤怠データの管理といった警備業の業務の中でも定型的な部分を代行する「GUARD EXPRESS AGENCY」等、GUARD EXPRESSと連携して利用することでより業務の無駄を省き、スピーディーに作業を進められるのです。

もちろん、クラウドサービスであるGUARD EXPRESSなら、データの連携も容易なため、教育実施簿をはじめとする各種帳票の出力もタイムリーに行えます。従来型の手作業での教育実施簿作成方法と比べ、GUARD EXPRESSを活用することで作業スピードは飛躍的に向上することでしょう。

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警備業の教育実施簿はシステムで管理しよう

教育実施簿の作成は警備業法で定められている重要度の高い業務だと理解していても、教育を実施するたびに作成・管理を行うのは煩わしく、つい後手に回してしまいがちな業務かもしれません。しかし、法令通りに教育実施簿を作成していなければ行政処分を受けるなど、深刻な事態につながる危険性をはらんでいるのです。

警備業においては、業務管理システムをうまく取り入れることで、従来の属人的な教育実施簿作成・管理業務は大幅にスリム化し、より確実に教育実施簿を作成可能になるだけではなく、システムの活用によって警備会社スタッフの負担も軽減させることができます。業務に余裕が生まれれば、より生産性の高い業務や長いスパンで取り組むべき重要なプロジェクトなどに時間を割けるようになるかもしれません。

システムを上手に活用することで、警備業の教育実施簿を簡単・確実に作成し、効率的に業務運営していきましょう。