上下番の管理を楽にする方法|管理システムのメリット

警備員が派遣先に到着し、業務の開始を警備会社に伝える上番の報告と、業務終了のタイミングで行う下番の報告は、稼働のたびに発生する作業であり、警備会社において欠かせない業務の一つです。

上下番の報告は、電話を使って行われることがほとんどですが、業務開始と終了の時間帯に報告が集中して電話が担当者につながりにくい、警備員がつい報告を忘れてしまう、といった問題もあります。

また警備会社側も、上下番の報告を受けるために担当者が電話のそばに張り付いていなければならない、報告内容を登録する際に入力ミスや転記ミスが発生しやすい、などの課題を抱えているのです。

これらの問題点を解決し、より上下番管理を楽に行う方法の一つとして、警備管理システムの導入という方法があります。本記事では、警備管理システムの活用によって上下番の管理を楽にする方法、およびシステムを選ぶ際のポイントについて紹介していきたいと思います。

上下番の管理が必要な理由

現場で警備の仕事を開始するタイミングと終了するタイミングで、その都度電話やFAX、メールなどの手段により警備会社に連絡をする上下番の報告は、給与の計算を行うため、緊急時に対応するため、そして過重労働を防ぐため、という3つの主な理由により、警備会社にとって欠かすことのできない重要な業務です。

上下番の管理が必要とされるこれら3つの理由について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

給与の計算のため

上下番をきちんと管理しなければならない一つ目の理由は、正確かつスムーズな給与計算業務のために必須の作業だからです。

警備員は直行直帰することが多いため、警備会社の担当者が一人一人の実際の始業時刻と終業時刻を正確に把握するのは物理的に難しいでしょう。

そこで、正確な稼働時間を記録し、給与計算を実績に沿った形で行うためには、警備員自身でその都度上下番を申告することが必要です。派遣現場に到着した時点、もしくは仕事を開始した時点で警備員が自分で上番報告をし、終業時にも同様に下番を連絡することで、稼働時間を具体的に把握し、残業の有無も確認することができます

上下番の管理は、警備員に適切な給与支払いを実行するために欠かせないものだと言えるでしょう。

緊急時に対応するため

緊急時への対応という面でも、適切に上下番を管理しておくことが求められます。

警備会社は有事に備えて警備員を派遣するわけですから、警備員が一人でも欠けることは許されず、急に欠員が生じた場合は即座に代替要員を派遣しなければなりません。しっかりと上下番が管理されていれば、仮に本来派遣する予定だった人数が揃っていなかったり、派遣された警備員が派遣現場に到着できていないなどの問題が発生しても即座に状況把握と対処ができます増員が必要であればどの程度の人員をどれくらいの時間で派遣可能か、といった判断も迅速に行えます。

派遣する警備員の状況を確実に把握できるようにするため、警備会社は上下番の管理を疎かにするわけにはいかないのです。

過重労働を防ぐため

上下番の管理が欠かすことのできない業務である最後の理由として、過重労働防止のためという点が挙げられます。

警備の現場は基本的に直行直帰であり、過重労働の有無に対するチェックが行き届きづらいという現状にあります。上下番の管理がきちんと実施されていなければ、本来の労働時間を超過していたとしても警備会社は把握ができず、結果的にサービス残業になってしまう危険性もあります。派遣される警備員が一人だけの現場では、大人数の現場と比べてさらに過重労働に対する監視の目が届きにくいでしょう。

上下番を確実に把握しておくことは、過重労働を未然に防ぐための対策としても非常に有効なのです。

上下番の管理を楽にする方法「警備管理システム」

適切な上下番の管理は、給与計算の適正化や緊急時におけるスムーズな対応、過重労働の防止といった理由から、警備会社にとって非常に重要であることがおわかりいただけたかと思います。

しかし、上下番を報告するには電話やFAX、メールなどの手段を使うことがほとんどで、報告が集中する朝や夕方の時間帯は担当者が報告への対応で手いっぱいになる、報告をメモし忘れる、報告内容を誤って入力してしまう、などのトラブルが発生しやすい業務であることも事実です。

上下番を報告する際の問題点やトラブルを回避し、効率的な管理を実現する方法として警備管理システムの導入があります。警備管理システムとはどのようなもので、なぜ楽に上下番の管理を行えるのか、次から詳しく解説していきたいと思います。

警備管理システムとは

数ある業務管理システムの中でも、警備業の管理業務に特化したものが警備管理システムであり、警備員一人一人の情報入力から上下番の管理、人員配置から給与の計算まで、警備会社におけるあらゆる業務を一元管理できる点が特徴です。

警備管理システムを活用することで、複数の現場に直行直帰で勤務している警備員の複雑な上下番データも簡単に集計することができるだけでなく、随時発生する配置換えや人員補充への対応、上下番データからの給与計算の自動化等が可能となり、担当者の作業負荷を大きく減らすことができます。

また、システムはスマートフォンやタブレット端末に対応しているので、警備員も自分自身の手で報告や申請をタイムリーに行うことができ、担当者と連絡が取りづらい、自分の都合のいいタイミングで連絡できない、といった不満の解消にもつながります。

警備管理システムとは、警備会社側と警備員側双方の作業負荷を減らし、より合理的に業務を進められるツールであると言えるのです。

なぜ警備管理システムで上下番管理が楽になるのか

上下番の管理という視点から、警備管理システムについてより詳しく見ていきましょう。

以前から、上下番は主に電話を使って報告されてきました。電話を使った上下番の報告は、確実に出勤・退勤が確認できる、手軽に報告が行えるというメリットがある一方で、報告が集中する朝・夕方には電話回線が込み合う、電話がつながらないことによって始業や退勤が遅れる、といったデメリットもあります。

また、警備会社の担当者側も、上下番報告への対応に追われ電話のそばを離れられない、電話で受けた報告内容をパソコンに手入力する作業や紙への転記作業が面倒、誤記入や記入漏れといったミスが起きやすい、などの問題を抱えています。

警備管理システムをうまく使えば、スマートフォン上で簡単に上下番の報告が行えるので電話をかける必要がなくなり、回線混雑によるタイムロスを避けることができますし、電話への対応に要していた時間と労力を節約することも可能です。

さらに、システムを通じて報告された上下番のデータは、その都度自動で給与システムに取り込めるため、月末の給与計算のたびに上下番のデータを集計しなくてもよくなります。誤記入・転記ミスなどのケアレスミスも防げます。

警備管理システムの導入は、単に上下番管理に費やす時間や労力を節約できるだけなく、より精度の高い、効率的な業務フローを実現する手段にもなりうるのです。

上下番の管理を楽にするシステムを選ぶポイント

上下番の管理を始め、警備会社におけるあらゆる業務を効率化・省力化する一つの手段として、警備管理システムの導入について紹介しました。

しかし、いざ警備管理システムの導入を考えても、様々な種類のシステムの中から一体どれを選べばよいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。そこで、ここからは上下番の管理を楽に行えるシステム選びのポイントを解説していきましょう。

警備員からの上下番報告が簡単であること

上下番を楽に管理できるシステムを選ぶにあたっては、警備員が簡単に上下番を報告できるかどうかに注目するとよいでしょう。いくら充実した機能を持つシステムであっても、警備員にとって使いづらいシステムではメリットを十分に生かしきれません。

現場に到着したタイミング、あるいは業務開始のタイミングでタイムリーに上下番の報告が行えるシステムであれば、警備員は上下番報告を行うたびに電話で待たされる、というストレスから解放され、報告忘れや報告の遅滞も減らせます。

また、スマートフォンの操作に不慣れな年配の警備員でも簡単に使えるよう、シンプルな操作性を有していることも重要です。必要な機能を過不足なく備えたシステムなら、スマートフォンに苦手意識があり、電話での報告の方が簡単だと感じている警備員であっても、スムーズに上下番報告を行えるでしょう。

各種データが自動で紐づくこと

始業・終業時刻や、残業時間、夜勤の記録など、上下番報告によって得られた各種データを自動的にシステムと紐づけられることも、上下番管理に注目してシステムを選ぶ際に重視したいポイントです。

上下番の管理をシステム上で行えても、それらのデータが別々の場所に登録されていては、給与の計算時や各種手続きを進める際に改めてデータを集計する必要があり、二度手間になってしまいます。自動的に各種データを紐づけられるシステムを選べば、警備員が上下番の報告をするだけで、勤務時間や勤務日数を一元的に管理でき、給与の計算までワンストップで行えるのです。

上下番の情報と各種データを紐づけることで、上下番のデータ登録のみならず集計業務や給与計算、支払業務など、今までばらばらに行っていた業務を連携させることが可能となり、作業を飛躍的にスピードアップできるでしょう。

クラウド型であること

クラウド型のシステムかどうかも、上下番管理を楽にするシステムを選ぶ際に必ず確認しておきたいポイントの一つです。

警備員が個別に電話連絡していた上下番も、クラウド型システムを導入すればスマートフォンで簡単に報告完了し、システムにも即座に反映されるので、警備会社の担当者はいつでもリアルタイムで警備員の勤務状況を確認することができます上下番報告のための電話対応と報告内容の転記・入力、データ集計、給与計算など、上下番に関わるあらゆる業務もクラウド型システムによって大幅に簡略化が可能になるのです。

上下番管理なら「GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)」

時間と人手を要する上下番の管理も、警備管理システムを活用することで飛躍的にスピードアップし、それと同時に属人的なミスも減らせることをお伝えしてきました。

警備業に特化した業務管理システム「GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)」は、日々発生する複雑で煩わしい上下番の管理業務を簡単に、かつ正確に実行できるシステムです。

GUARD EXPRESSの付帯サービスであるWebアプリケーションサービス「GUARD EXPRESS NEO」を使えばスマートフォン上で簡単に上下番の報告を行うことができ、報告内容はクラウド上でGUARD EXPRESSと自動的に紐づけられます。また、スマートフォンで撮影した得意先のサイン付き勤怠実績を用いて画像申請することも可能なので、GUARD EXPRESSで申請された上下番報告内容と比較すれば、より正確に勤務実態を把握することができるのです。

さらに、クラウドでデータ連携することにより、リアルタイムでの上下番把握が容易になるため、仮に始業時間になっても派遣先に到着できていない警備員や報告を忘れている警備員がいたりした場合でも迅速な対応を取れます。

上下番の管理をより楽に、より確実に行える警備管理システムこそが「GUARD EXPRESS」です。

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しっかり上下番を管理しましょう

上下番の報告とその報告内容の登録という作業は、警備会社において毎日定型的に発生する業務の一つです。煩雑でありながら必要不可欠な業務であるからこそ、少しでも作業を効率化し、精度を上げることで、今まで上下番管理に費やしていた時間をクライアントへの提案や警備員へのフォローといった、重要度は高いものの今まで後回しになっていた業務に充てることができます。

また、スムーズに上下番を管理できるようになるということは、電話がつながらない、上下番報告ができず仕事を始められない、といった多くの警備員が抱いている不満の解消にもつながり、仕事をする上での満足度向上も期待できます。

上下番管理を楽にしてくれる警備管理システムの導入を通じて、作業の無駄を省き、警備員、警備会社双方がストレスなく働ける環境を作り出しましょう。