警備会社におすすめの上番管理の賢い運用方法とは

2021年12月8日

警備会社でスタッフが業務を開始する際は、警備会社の営業所や管制に報告をおこなう「上番(じょうばん)」という仕組みがあります。この「上番」は、もとは軍隊で当番に就く際の報告を指す言葉とも言われており、一般職の出社・出勤報告と同じ意味です。

警備会社がこの仕組みを取り入れている理由には、「警備スタッフが直接警備現場に出勤し、すぐに仕事ができる」「同現場のスタッフの点呼や勤怠管理がまとめておこなえる」という利点や「管制が多数の現場を管理しているため、現地にタイムカードを設置したり、スタッフの点呼をおこなうことができない」という状況などがあるようですが、その方法やルールは警備会社によって異なります。

上番の管理をスムーズにおこなうことで、管理側もスタッフも気持ちよく業務ができたら嬉しいですね。そこで今回は、警備会社におすすめの上番管理の賢い運用方法についてご紹介します。

警備会社が抱える上番管理のよくある問題

警備会社の上番管理には、以下のような問題がよく挙げられます。

  • 管制の電話回線の混雑で、上番報告の電話が繋がらない
  • メールの送受信にトラブルがあり、上番報告のメールの確認ができない
  • 上番報告のFAXが送られてこない
  • FAXの紙切れや誤作動により、上番報告の内容が確認できない
  • 給与計算にともなう上番、下番の時刻の転記など、管制の事務作業が負担になる
  • 警備会社の管制の負担が大きく、細やかな対処がしきれない
  • 警備会社側の欠員の確認が遅れ、代わりの人員の手配に時間がかかった

これらの問題が起こると、警備会社の管制側の負担の増加につながるだけでなく、警備スタッフの就業モチベーションの低下や、急な欠勤や遅刻が発生していた場合の確認・対応が遅れることで、顧客への信頼も損なわれてしまいます。

なぜこのような問題が発生するのでしょうか。その原因として考えられるものをご紹介します。

警備員からの上番報告が同時刻に集中する

警備スタッフは現場作業が多いため、出勤は現場に直行するケースが一般的です。警備会社の多くは電話で上番管理をおこないますが、勤務開始は7時、8時、9時……など、区切りをつけやすく端数がない時刻が多いと思います。そのため、警備会社への電話連絡の時刻が多くの警備スタッフと重なってしまい「電話がつながらない」「上番報告ができないから、仕事を開始できない」という不満につながります。

警備スタッフが正確な出勤時間の報告をおこなえないだけでなく、警備の現場で「スタッフは来ているけど仕事をはじめてくれない」というトラブルにつながったり、警備会社の信用を損ねることにもなりかねません。

さらに、警備会社の管制が電話対応に大幅な工数を取られたり、遅刻や欠勤の対応、現場にたどり着けず迷っている警備スタッフの誘導対応なども発生する可能性があります。

警備会社が電話、メール、FAXを併用して上番管理をおこなっている場合も、それぞれの媒体に対しての確認・対応作業が随時必要になるため、こちらも管制の人的コストが大幅にかかる事態は避けられません。

警備員が上番報告を忘れる

上番報告は警備スタッフ個人の行動にゆだねられているため、報告忘れが起こりやすいのも事実です。警備会社と現場との契約では、警備スタッフが時間通りに警備を始めない=契約不履行になってしまいます。そのため、上番報告はとても重要な工程といえるでしょう。

しかし、警備会社の認識と違い、警備スタッフは「ただの出勤報告だろう」と軽い気持ちでとらえていることも多いようです。無断欠勤などの故意の過失は言うまでもありませんが、うっかり警備会社への電話やメールを忘れていた、警備室のFAXを他の人が使っていたなど、悪気なく上番報告を怠っている場合もあります。

特に、警備に向かうときに他の警備スタッフと一緒になり、話に夢中になっていて上番報告を忘れてしまうケースがよく見受けられるようです。話好きでコミュニケーション能力の高い警備スタッフは、通行人の誘導や交通整理、人の出入りが多い施設の警備などではその人柄が重宝される場面もあります。だからといって上番報告を忘れていいわけではありませんが、うっかりミスを事前に防げる仕組みができると、警備会社の管制も警備スタッフも助かるでしょう。

上番報告の実際の時刻と記録の時刻がずれる

上番報告の時刻と警備先での勤務実績の記録を照会すると時刻がずれている場合があります。「電話、メール、FAXが届くのが遅れた」「警備スタッフが気を利かせて早めに上番報告してくれたが実際の勤務開始は10分後から」などが要因です。こうしたケースの対応や時給の発生の有無は警備会社によって異なると思いますが、照会作業や給与計算といった事務作業を警備会社の管制がおこなう際には、手間と工数がかかるためとても大変です。

また、警備業務は就業先が毎日異なることも多く、同じスタッフでも毎日就業時間が違うこともあります。警備会社で手動にて紙やExcelなどのデータに記入していると集計作業が非常に煩雑になるため、ヒューマンエラーによる時刻のずれも起きやすい業種と言えるでしょう。

警備会社におすすめの上番管理の賢い運用方法とは?

これらの問題を解決できる上番報告の管理方法があると、管制と警備スタッフの負担が軽減されるだけでなく、警備会社にとっても大きなメリットになります。ここからは、警備会社におすすめの上番管理の賢い運用方法をご紹介します。

上番管理なら警備業向け管理システムを使おう

警備スタッフの上番管理に最もおすすめなのが、警備業向け管理システムを使うことです。警備業向け管理システムで上番管理をおこなうことで、上番報告が同時刻に集中してもシステム内にスムーズに記録されるだけでなく、リアルタイムで勤怠状況の把握ができます。

警備業向け管理システムでできること

警備業向け管理システムで上番管理をおこなうと、リアルタイムで上番報告を管理できます。電話、メール、FAXの報告遅れや混雑によって警備会社側で出勤確認ができない状況を回避できるだけでなく、システム上で上番報告の確認が可能です。

管制はシステム上の画面をチェックするだけで上番報告の確認ができるため、急な欠勤や遅刻なども発見しやすく、状況確認や代わりの人員の確保、顧客への連絡など管制の業務全般の効率化も見込めます。

警備業向け管理システム導入の際のポイントは?

メリットが多い警備業向け管理システムですが、「導入しても使いづらかった」「かえって手間が増えてしまった」などの事態になっては元も子もありません。警備会社はどんな機能やポイントに気を付けて管理システムを選ぶべきか、詳しく見ていきましょう。

クラウドに対応している

警備業向け管理システムは、クラウドに対応しているものがおすすめです。その理由として、警備スタッフや顧客と警備会社間の連携が正確かつスピーディーに進められることが挙げられます。

警備スタッフが使用しているスマートフォンに専用のアプリケーション等をインストールしてもらい、そのアプリケーションから上番報告を送信すると、クラウドサーバーに報告したデータが記録される=管理システムの画面に「出勤」などのステータスが表示される、という工程がクラウド対応の管理システムの一例です。警備スタッフはアプリケーションから上番報告ボタンを押すだけ、警備会社側は管理システムの画面を確認するだけになり、双方の連絡の手間が大幅に軽減されます。

また、顧客とも管理システムの一部を共有したり、別途オプションなどで連携することができれば、顧客への勤怠報告を別途おこなう必要がなくなり、現在の警備状況をリアルタイムで共有することが可能です。もし警備会社の管制の緊急対応が必要になった時も、PCでインターネットに接続すれば、外出先やオフィス外でもクラウド上のデータを確認しながら対応業務を進めることができます。

操作がしやすい、操作方法が分かりやすい

警備業向け管理システムは、だれでも操作できるよう、操作方法が分かりやすいものがよいでしょう。警備スタッフは若い人から元気なシニアの方まで、さまざまな年齢の方が業務にあたっています。せっかく警備会社が管理システムを導入しても、現場の警備スタッフが実際に使えなければ「アプリケーションの使い方がわからない」「操作方法が不明で上番報告ができなかった」という事態になり、導入費だけがかさんでしまうこともあります。

PCやタブレットなどのデバイスに慣れた管制側だけで「これなら簡単だろう」と判断せず、スマートフォン操作が苦手な警備スタッフも活用している、「操作が分かりやすい」という声が多数ある、などの実績が豊富な管理システムを選ぶことが大事です。

全業務に関する情報を一元管理できる

警備業向け管理システムで上番報告をおこなうと、その日の上番報告のデータだけでなく、その警備スタッフのこれまでの全業務に関する情報も一元管理できるものがおすすめです。

さらに、警備スタッフの登録情報や給与計算などのデータもシステムによって自動で紐づけされるため、勤務先によって時給・日給といった支払い形態の違いがある、時間外労働分の給与計算をおこなう、などの複雑な事務作業もすべてシステム上で管理・自動化することが可能です

上番管理なら「GUARD EXPRESS」

警備スタッフの上番管理に警備業向け管理システムを導入する数々のメリットをご紹介しましたが、その中でも特に警備会社にご検討いただきたいのが警備業向け管理システム「GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)」です。GUARD EXPRESSは、管理システムの中でも特に「警備業に特化した総合管理システム」です。

業務フローがひと目でわかるナビゲーションメニューは、警備会社・警備スタッフ・顧客・就業現場を各業務ごとにグループ化してアイコンと矢印で表現しているため、初心者でも「次に何をすればいいか」が直感的に把握できます。各ナビゲーションメニューの右側には「ヘルプ」バーがあり、関連する最新のオンラインマニュアルやヘルプがあるサポート専用ページも用意されているので、警備会社の管制で操作中に困ってしまったときも安心です。

また、GUARD EXPRESSは、他の付帯サービスと連動できるのも大きな特徴です。警備スタッフ向けのWebアプリケーションサービス「GUARD EXPRESS NEO(ガードエクスプレスネオ)」では、警備スタッフがタブレット・スマートフォン・フィーチャーフォンなどでアプリケーションを操作して、上番・下番報告はもちろん、スケジュール申請、シフトの照会、契約内容の照会、給与前払いの申請、支給照会などさまざまなことができます。

「NEO」によって登録されたデータは、クラウドでGUARD EXPRESSにリアルタイムで連動されるため、警備会社の管制も登録内容をタイムラグ無しで確認することが可能です。「NEO」で自動配信される通知により、上番・下番報告の打刻忘れも防止できるため、警備会社の管制の負荷低減にもつながります。

さらに、警備スタッフの起床時間・出発・到着時間などを管理できる機能や、業務代行サービス「AGENCY」を連携させることで、事前に設定した時刻を経過しても報告がない警備スタッフにメールでアラート通知が送られるシステムなども利用可能です。事前に警備スタッフの状況を細かく確認できることで、警備スタッフの突然の欠勤や遅刻にも余裕をもって対応することが可能になり、ひいては顧客との信頼や業務契約を守ることにもつながるでしょう。

GUARD EXPRESSなら、警備会社の管制の工数軽減はもちろん、スムーズな上番報告ができるだけでなく、警備スタッフにとっても各種照会や申請がアプリケーション上で簡単におこうことが可能です。

GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)の詳細はこちら

警備会社はシステムで賢く上番管理を

警備会社の上番管理には管理システムが良い理由と、警備業向け管理システムGUARD EXPRESSをご紹介しました。

管理システムのクラウド化・データの一元化・情報の紐づけや自動化により、警備スタッフと警備会社の管制の双方の業務負担を減らしてお互いスムーズに業務に集中できれば、ヒューマンエラーを防止、ストレスの軽減だけでなく、パフォーマンスの向上など、さらなる効率化も見込めます。賢い上番管理をおこなうことで、得られるメリットははかり知れません。「上番報告の電話がつながらない」「電話対応が大変」とお悩みの警備会社は、ぜひ導入を検討してみてください。